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VOL.4 DJI RS 3 ProにRED V-RAPTORは搭載できる?

Canon RF ズームレンズ DJI RS2 × RS3 Pro

はじめに、Canon RFマウントのズームレンズ4本を試してみます。

Canon RF 24-70mm F2.8 + RS2 + V-RAPTOR 8K VV

まずRS2に関しては、RF 15-35mm F2.8以外のズームレンズではバランスを取ることができませんでした。下の画像はRF 24-70mm F2.8を取り付けたものですが、バランスを調整していくとカメラ後部が軸アームに当たってしまいます。

Canon RF 15-35mm F2.8 + RS2 + V-RAPTOR 8K VV

RF 15-35mmに関しては、ウエイトを追加してようやくバランスが取れました。

Canon RF 28-70mm F2 + RS3 Pro + V-RAPTOR 8K VV

一方、RS3 Proの場合は、RFズームレンズは4本とも問題なくバランスを取ることができました。このあたりは、RS2よりも軸アームが長くなったRS3 Proならではの優位性ともいえます。

4本のズームレンズの内、最も重く長さのあるRF 28-70mm F2が、ぎりぎりバランスが取りきれたので、そのあたりが搭載可能なレンズの限界と考えられます。

Canon RF 24-70mm F2.8 + RS3 Pro + V-RAPTOR 8K VV
Canon RF 70-200mm F2.8 + RS3 Pro + V-RAPTOR 8K VV
Canon EF 24-70mm F2.8L II + RS3 Pro + V-RAPTOR 8K VV

Canon EF 24-70mm F2.8L IIに関しては、マウント変換(Canon EOS R to EF)を付けるとレンズはかなり長くなりますが、RS3 Proではバランスを取ることができます。


Zeiss CPレンズ
DJI RS2 × RS3

続いて、Zeiss Compact Primeシリーズを試してみます。当社ではCP.2、CP.3XDの2種類の取り扱いがありますが、CP.2は前径が114mmなのに対して、CP.3XDの前経は95mmとなっています。またレンズ筐体の長さに関しては、両モデルとも大きな差はありませんが、重量はCP.2よりもCP.3XDの方が軽くなっています。

Zeiss CP.2 50mm + RS2 + V-RAPTOR 8K VV
Zeiss CP.3XD 50mm + RS2 + V-RAPTOR 8K VV
Zeiss CP.3XD 50mm + RS3 + V-RAPTOR 8K VV

結果としては、CP.2、CP.3XDはいずれもRS2、RS3 Proで問題なくバランスが取れました。RS3 Proでは追加のカウンターウエイトも必要ないレベルで、そのあたりはジンバルでの使用を前提に設計されたCompact Primeならではの結果といえます。


SIGMAハイスピードレンズ
DJI RS2 × RS3

続いて、SIGMA FF High Speed Primeを搭載してみました。

SIGMA FF High Speed Prime 28mm + RS2 + V-RAPTOR 8K VV
SIGMA FF High Speed Prime 28mm + RS3 Pro + V-RAPTOR 8K VV

結果は、RS3 Proでは問題なくバランスが取れるものの、RS2ではバランスが取りきることができませんでした。SIGMA FF High Speed Prime 28mmは、マウント変換(Canon EOS R to EF Adaptor)を含めると、重量は1410g、筐体の長さは131.7mmとなります。Canon RFズームレンズと比べると、レンズ筐体の長さはほぼ同じで、重量がやや重くなりますが、カウンターウエイトを追加するとRS3 Proではバランスを取ることができます。FF High Speed Primeはシリーズ内でレンズの長さ・重量にばらつきがあるので、未検証ではありますが、ほかの焦点距離ではバランスの取れないものもありそうです。


Canon CN-Eレンズ
DJI RS2 × RS3

次は、Canon CN-E Primeを搭載してみました。

Canon CN-E 14mm + RS2 + V-RAPTOR 8K VV
Canon CN-E 14mm + RS3 Pro + V-RAPTOR 8K VV

Canon CN-E Prime 14mmは、マウント変換(Canon EOS R to EF Adaptor)を含めると、重量は1310g、筐体の長さは125.5mmとなります。Canon RFズームレンズと重量・長さともほぼ同じですが、カウンターウエイトを追加するとRS3 Proではバランスを取ることができます。CN-E Primeはシリーズ内でレンズの長さ・重量に大きな差はないので、未検証ではありますが、ほとんどの焦点距離でバランスを取ることができそうです。


SIRUI Jupiterシネレンズ
DJI RS2 × RS3

最後は、最近人気のSIRUI Jupiter FF Cineを搭載します。

SIRUI Jupiter FF Cine Lens 50mm + RS2 + V-RAPTOR 8K VV
SIRUI Jupiter FF Cine Lens 50mm + RS3 Pro + V-RAPTOR 8K VV

SIRUI Jupiter FF Cine Lens 50mmは、EFマウント変換(Canon EOS R to EF Adaptor)を含めると、重量は1247g、筐体の長さは141.3mmとなります。Canon RFズームレンズと比べると、重量はほぼ同じで、レンズ筐体はやや長くなりますが、カウンターウエイトを追加するとRS3 Proではバランスを取ることができます。Jupiter FF Cine Lensの単焦点レンズは、シリーズ内でレンズの長さ・重量に大きな差はないので、未検証ではありますが、すべての焦点距離でバランスを取ることができそうです。


まとめ

RED V-RAPTOR:DJI RS2 & RS3 Pro 対応セッティング

レンズ レンズ重量 レンズ長さ RS2 RS3 Pro
Canon RF 15-35mm F2.8L 840g 126.5mm OK OK
Canon RF 24-70mm F2.8L 900g 125.7mm NG OK
Canon RF 28-70mm F2L 1430g 139.8mm NG
Canon RF 70-200mm F2.8L 1070g 146.0mm NG OK
Canon EF 24-70mm F2.8L II +
Canon EF-EOS R Adaptor
805g+110g 113.0mm+24mm NG OK
Canon CN-E Prime 14mm +
Canon EF-EOS R Adaptor
1200g+110g 101.5mm+24mm NG OK
SIRUI Jupiter FF Cine Lens 50mm +
Canon EF-EOS R Adaptor
1137g+110g 117.3mm+24mm NG OK
SIGMA FF High Speed Prime 28mm +
Canon EF-EOS R Adaptor
1300g+110g 107.7mm+24mm NG OK
Zeiss CP.3XD 50mm +
Canon EF-EOS R Adaptor
770g+110g 83.7mm+24mm OK OK
Zeiss CP.2 50mm +
Canon EF-EOS R Adaptor
900g+110g 80mm+24mm OK OK

搭載するレンズに関しては、Roninのバランスをとる上では重さも重要な要素となりますが、レンズの長さも大きな影響を及ぼします。たとえば、重量が同じ1kg弱のレンズであっても、筐体の短いZeiss CP.3XDはカウンターウエイトなしの状態でバランスが取れるのに対し、レンズ筐体の長いCanon EF 24-70mm F2.8L IIでは追加のウエイトが必要となります。

その点では、ジンバルでの使用を想定したコンパクトな設計のZeiss Compact Primeが最も優れており、RS2、RS3 Proともに余裕でバランスを取ることができます。一方、Canon RF 24-70mm F2.8など(筐体の長い)スチール用のズームレンズの場合は、シネマカメラと組み合わせるとバランスを取るのが困難になります。

結論として、RS2、RS3 Proの耐荷重はともに4.5kgですが、軸アームが長くなったことで搭載可能なカメラ、レンズの選択肢が増えた RS3 Proは、特にシネマカメラを使用する場合に大きな優位性があるといえそうです。


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